大館市の包括的民間委託はインフラ管理の先進事例

大館市の包括的民間委託はインフラ管理の先進事例

包括的民間委託が拡大します。インフラ管理をまとめて民間に委ね、官民のコスト削減を狙うものです。先進的な取り組みとして、東北で唯一、国交省のモデル地域に指定されました。

包括的民間委託とは

包括的民間委託とは、個別バラバラに委託していた業務をまとめて委託することで、受託する民間企業が裁量できる範囲を広げ、ノウハウや創意工夫を活かしやすくする発注方式です。背景には、インフラの老朽化により維持コストが大きくなっていることがあり、「民間が出来ることは民間へ」という流れがあります。大館市は包括的民間委託の契約期間を3年間としております。これは、複数年度にすることで、民間事業者が先を見越した投資をしやすくなる、という効果を期待しています。行政にとっても、個別案件ごとに必要だった事務手続きが削減される、というメリットがあります。現在は3年間という期間も、結果が良ければ延長していく考えのようです。

発注の仕方も「仕様発注」ではなく「性能発注」という、より自由度の高いものになります。仕様発注は行政側が、業務の手段、構造、材料などを詳細に定めた仕様書をつくって民間企業が施工する方式です。これに対して、「性能発注」は、そうした仕様書は定めずに、求められる品質や水準を満たしていれば手段や仕様は問わない、というものです。民間企業がノウハウや創意工夫を活かしやすい発注の仕方になっています。

具体的なイメージです。従来の方式では、行政が巡回・調査を行い、側溝清掃、路面補修、除草などをバラバラに個別発注していました。包括的民間委託の場合は、巡回・調査を含め、道路管理、河川管理、公園管理をまとめて複数年契約で発注していきます。民間企業は自分ごととしてインフラの問題点を発見し、求められる水準を維持できるよう取り組みます。行政の役割は満たすべき品質水準を定め、それが維持されているかをチェックすることになります。

対象エリアを順次拡大

大館市は2021年に国土交通省から「包括的民間委託の導入検討を支援するモデル自治体」に選定されました。2022~2023年の2年間を試行期間とし比内全域・十二所地区を対象に道路・河川の維持管理に関する業務を包括的民間委託しました。2024年度は二井田・真中地区を加え、業務の種類と対象エリアを順次拡大していく予定です。

「群マネ」のモデル地域に選定

大館市は2023年12月に国土交通省から「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」のモデル地域に選定されました。モデル地域は全国でわずか11件であり、東北6県のうちでは大館市が唯一です。包括的民間委託の積極的な取り組みがインフラ管理の先進事例として認められたものです。群マネのモデル地域として、国土交通省が設置した群マネ計画検討会・群マネ実施検討会の有識者からアドバイスをもらったり、国の支援を受けられることになります。