登録しやすくPRしやすい空き家バンクへ

登録しやすくPRしやすい空き家バンクへ

2024年4月6日
市内の空き家数は2,464戸。まだ利活用できる空き家は資産であり、活用のカギとなるのは、空き家バンクです。空き家を登録しやすい制度に改善し、物件の特徴をPRしやすい仕組みを提案します。

空き家の持ち主の4割が売却・賃貸を希望

2023年に大館市では4年に一回の空き家調査が行われました。空き家の数は2,464戸。前回の調査よりも700戸弱の増加です。世帯数に対して8.3%という比率です。調査では、空き家の外観をもとに四段階に分類しており、危険度の高い空家が微減する一方、利活用できる空き家は761戸から1,453戸へと倍増しております。

市が空き家の持ち主にアンケートを送付したところ、回答者の4割が売却・賃貸を希望していることが分かりました。この4割という比率を利活用できる空き家の数に掛け合わせると、580戸ほどが売却・賃貸を希望されているということになります。

空き家バンクに登録しやすく

購入・賃貸できる空き家を探すことができる空き家バンクというサイトがあります。自治体によって枠組みはさまざまです。大館市の場合は、市がサイトを運営し、空き家の物件情報は不動産事業者が仲介している物件を登録しています。

2023年度の大館市空き家バンクへの新規登録数は41件でした。利活用できる空き家の数に対して、非常に限られた量となっています。現状の制度では、空き家バンクへ登録するためには、不動産業者に仲介してもらわなければなりません。不動産取引には宅建建物取引士という国家資格が必要なためです。外観では利活用できると思われても、水回りや床の状態、シロアリなど専門的な判断を要する点が多くあるという事情もあります。

しかし、不動産業者もビジネスですので、買い手がつきにくいと判断した物件の仲介には消極的にならざるを得ません。たとえば郊外の物件です。市街地から離れるほど売れにくい物件と判断されます。大館市の空き家バンクは、成約率が高く県内でも優良事例とされています。しかし、逆を言えば、買い手がつきやすい市街地の空き家に登録が集中しており、市内全域の空き家をカバーしきれていない、とも言えます。

不動産業者による仲介物件だけに限定するのではなく、まだ未仲介の物件であっても、専門家によるチェックを受けていないと分かるかたちで、空き家バンクに掲載できたほうがいいと考えます。

移住希望者にPRできる工夫

空き家バンクは、当初は移住政策のひとつとして始まりました。そのため、大館市は、転入後5年以内に空き家バンクに登録された住宅を購入し居住している人に定住奨励金を交付しています。しかし、現状では、大館市内または近郊在住の方との取引が圧倒的多数を占めています。移住希望者のなかには、郊外の自然豊かな環境に憧れる人たちがいます。家庭菜園や畑がある、庭が広い、ということが大きな魅力になります。移住希望者が、求める物件を探しやすいように、空き家バンクをリニューアルすべきと考えます。

移住政策としてとらえた場合、最初は賃貸で様子を見たいという人が多いはずです。都市部に持ち家があるのに大館に移住しようという人はなかなかいないと考えられるためです。賃貸で住んでみて、気に入れば購入しようというのが自然なステップです。私自身もそうでした。

しかし、家主が賃貸を望んでも、空き家の賃貸は、不具合が発生した際に家主側に修理負担が発生することが懸念されるため、賃貸は避けるように不動産事業者が助言することが多いようです。全国では、空き家の増加にともない、さまざまな形態の取引が生まれています。修理費用を家主が負担しない代わりに、借り手がある程度自由に手を加えられるDIY賃貸もそのひとつです。家主は追加の費用負担を心配せずに空き家を資産として活用できます。借り手自らが住みやすいかたちにアレンジできるので、愛着をもって長く住んでもらえる、という期待もできます。

空き家を資産として活かすためには、流動性を高める必要があります。空き家バンクがそのカギになります。空き家を登録しやすい制度に改善し、物件の特徴をPRしやすい仕組みにリニューアルすることを求めていきたいと思います。